番頭デュークの業務日誌
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空へ
2013年12月25日
今日は12月25日。
クリスマスです。
ポメ店長が旅立ってから、今日でちょうど丸1ヶ月。
今日は、最初の月命日です。
イヴの2日前に、ポメ店長が亡くなる前に注文しておいた「店員Hからポメ店長へのプレゼント」の「クリスマスのご馳走セット」が冷凍便で届き、また切なくて涙してしまいました。
どれだけ泣いても、涙の泉は枯れることなく、涙が渇く暇がありません。
今年のクリスマスは、本当に切ないクリスマスになってしまいました。
哀しみの海に置き去りにされたまま、否応なく、時はどんどん歩を進めていってしまいます。
この1ヶ月、正直何をして過ごしていたのか、ぼんやりしていて、あまり思い出せません。
1ヶ月も経っているのに、いまだにポメ店長とのお別れの顛末が書き終わってないということに、さっき気づいてしまったくらいです。
11月28日に時を戻してみたいと思います。
ポメ店長がお空に還る日です。
この日の17時。
前夜は、ゆうくんが、ずっとポメ店長に傍に付き添って、ポメ店長をじっと見つめていました。
時折、そばに寄ってニオイを嗅いでみたり、前足でつついてみたり・・・・
そしてまた、つついても起きないポメ店長を、傍に座って哀しそうに見つめていました。
そのままそこで眠りに落ちてしまったゆうくん。
どんな夢を見ていたのでしょうか。
哀しい声で寝言を言っていました。
この日も店員Hは眠れず、ポメ店長を何度も抱き上げては抱きしめました。
その感触を記憶に留めようとするかのように。
ホントはこの体を離したくなんてなかった。
でも生まれ変わるためには仕方ないんだよね。
そう自分に言い聞かせながら。
ポメ店長の爪を切り、耳の裏の柔らかい毛を切り、残すことにしました。
きれいに丁寧にブラッシングして、旅立つポメ店長のために、おしゃれをしました。
もうこの光輝くクリーム色のふわもこの毛に触れることはできなくなります。
かわいい愛おしいおててにも触れることができなくなります。
何度、この毛をとかし、整えてきたことか。
この爪を、何度切ってきたことか。
それがもう二度とできなくなります。
それがどうにも哀しかった。
この日、どうしても最後に会わせたい人がいました。
いつもポメ店長に、大好きなホシイモをくれて、かわいがってくれた八百屋のおじちゃんです。
お別れまでの時間の中で、この日しかおじちゃんがいつもの場所でお店を開いてて会える日はなく、どうしてもお空への旅立ちの前に会わせてあげたかったんです。
午後、出発の時間の直前、またカートにポメ店長を乗せて、おじちゃんのいる場所に向かいました。
お客さんが切れるのを待って、おじちゃんに事情を話しました。
ああ・・・・と。
おじさんは、小さくため息し、カートを覗いて言葉を詰まらせました。
いつかは来るお別れだけど・・・
仕方ない・・・
それはわかっているんだけど、辛いね・・・って。
おじちゃんがポメ店長を優しく撫でてくれました。
えらかったね。よく頑張ったね。
そして、袋に入れたホシイモを「これ持たせてやって。」と店員Hに手渡してくれました。
おじちゃんからのポメ店長への最後のプレゼントです。
これが欲しくて、いつもいつもおじちゃんがいる日は、なぜか食いしん坊レーダーでわかってて、途中で曲がろうとしても、必ずここまで行くっていってきかなかった。
ぐいぐい引っ張って、もらいに行ったっけ。
ポメ店長と同じ毛色だという、おじちゃんちのロングチワワの「ちーちゃん」には、とうとう一度も会えなかったね。残念。
おじちゃんがいない日も、ここまで来て、クンクンして、探し回ったよね。
大好きで大好きで仕方なかったおじちゃんにも、最後に会えてよかったね。
最初で最後の写真、ポメ店長と一緒に入ってもらえました。
「おじちゃん、ホントにありがとう~!ホシイモ美味しかったよ~!」って、ポメ店長がおじちゃんに言ってるような気がしました。
そして、もう一度、最後の「クロちゃん橋」へ。
ここが好きで好きで仕方なかった。
丹念にお手紙読んだ場所。
唯一仲良しだった野良猫のクロちゃんがいる場所。
そしたら、・・・・いました!
クロちゃんが!
ポメ店長と一緒に写真に撮ろうとしたら・・・、
ああ、残念。
クロちゃんが、逆光の位置にいて、写真が撮れない。
困っていたら、背中から声が・・・。
「お手伝いしましょうかぁ~」って・・・。
ビックリしました。
こんなにタイミングよく、どこからともなく、ポメ店長をナデナデし続けてくれたSおじちゃんが、自転車に乗って背後から近付いてきました。
一昨日通夜にも会いに来てくれたばかりです。
ずっと会えなかったのに、最後のお散歩で会えて、お通夜にも来てもらえて、そしてこのタイミングでまた・・・・!?
心底驚きました。
クロちゃんも、Sおじちゃんがかわいがるので、すっかり懐いています。
「クロ~!こっちおいで~!」
のっしのっしとゆっくりこちらにクロちゃんが歩いてきます。
「クロ~!急ぎだ!」って。(^^;)
クロちゃんが、ポメ店長の乗ったカートのすぐ傍に来てくれました。
Sおじちゃんは急ぎで行かなきゃいけない用事があったのに、わざわざ自転車を降りて、ポメ店長とクロちゃんと一緒に写真におさまってくれました。
「またポメちゃんに呼ばれちゃったよ~!!ポメちゃん、呼ぶなあ~!」って、笑いながら・・・。
クロちゃんが言うこと訊いてくれる数少ない人のひとりがSおじちゃんだから。
本当に、「奇跡」かと思いました。
Sおじちゃんは、ポメ店長と最後にもう一度ナデナデしてお別れしてくれて、「いってらっしゃい!」と、去っていきました。
ポメ店長、本当に見事にみ~んなにお別れしたね。
八百屋のおじちゃんにも会えたし、奇跡的にクロちゃんにまで会えて、一緒に写真撮るために、Sおじちゃんまでまた呼んだんだ・・・・
すごいパワーだね。
こうして最後の一人、一匹にまで、会って律儀に挨拶をし、旅立ちの準備を終えました。
そして、一旦帰宅。
旅立ちの準備をして、家を後にしました。
もうポメ店長がこの姿でこの家に戻ってくることはありません。
いつもあのドアから散歩に出かけていたのに。
もう一緒に戻れない。
最後に玄関のドアを出る瞬間を、しっかり目を見開いて、目に焼き付けました。
泣きながら夕陽に向かって車を走らせました。
3年前、デュークの時も、同じ時間、同じ夕陽に向かって走ったことを思い出しながら。
同じ辛さに襲われていました。
そして、17時。
お寺に着いて、そこから案内していただき、火葬場へ。
最後の時間を選んだので、ゆっくりお別れすることができました。
ゆうくんをお棺の中に一緒に入れてあげたら、哀しそうにポメ店長を見つめていました。
最後のお別れが言えたのでしょうか。
もう一度だけ、ポメ店長を抱き上げて抱きしめました。
もう二度とこの重さを感じることはできません。
長年抱きなれた、デカポメの愛おしい重さでした。
そして、18時過ぎ。
みんなからいただいた気持ちのこもったお花に飾られて、みんなからいただいたウマウマのお弁当をいっぱい持って、店員Hからの手紙も持って、安らかな顔して、「いってきまぁ~す!」って、お空への遠足に旅立ちました。
晴れ渡った冬の星空に、ポメ店長は還っていきました。
デュークは迎えに来てくれたかな?
一緒にお空への階段昇っていけたかな?
無事虹の橋に着けたかな?
もう痛くもないし苦しくもないね。
この世でもちゃんとあった背中の「天使の羽」(ポメはたいてい肩のあたりに天使の羽のような形の毛色の違う箇所があります)ではばたいて、飛び回ってる?
若い頃のあの元気な姿に戻れて、みんなと走り回ってる?
そちらがどんなに愉しくても、たまにはデュークと一緒に、おうちにも帰ってきてね。
ねえ、ポメ店長、骨になってもなお愛おしいよ。
デカポメが、小さな骨壺に収まって帰宅。
デュークの骨壺と寄り添うように並んでいます。
本当に、ポメ店長が消えてしまった。
本当に、いなくなってしまった。
どこまでもどこまでも寂しくて・・・
その夜は、部屋のあちこちで、いろんなものが落ちたり、いろんな音がしたり、・・・
ポメ店長がまるでいたずらしてるかのような・・・
まだポメ店長の気配を、あちこちで感じました。
いまだに、つい「ポメ店長!」って、呼んでしまって、ふと現実に引き戻されて、また涙する・・・。
そんなことの繰り返しです。
そして、もう1ヶ月。
切ないクリスマスの夜です。
無情にも過ぎていく月日。
いまだに、店員Hの気持ちはあの日に置き去りにされたまま。
いつになったら、この哀しみから解放されるのやら・・・
あなたのいなくなった部屋は、やたらとガランとして殺風景なままです。
パパのブログ「ポメとデュークとゆうくんと ~じいちゃんポメラニアン3兄弟なかよし日記」
http://pomedukeyu.exblog.jp/
こちらでもポメのこと書いてます。
よろしければのぞいてやってください。