番頭デュークの業務日誌
満開の桜の下でゆうくんを探す
2015年04月05日
4月1日、生きていてくれたら、ゆうくんの「14歳の誕生日」のこの日、「3兄弟の桜」は図ったように満開になりました。
この日のココアさんとの散歩は、ゆうくんの思い出巡りをしました。
まずはやはりここ。
ポメ店長、番頭デューク、そして、ゆうくんと、毎年毎年見上げた桜。
「3兄弟の桜」と呼んでいる桜です。
ひとりと1匹の暮らし、ココアさんと一緒に記念写真に収まることは今年はできないので、桜とココアさんの写真を一心不乱に撮り続けました。
ポメ店長の月命日の3月25日に咲き始め、4月1日のゆうくんの誕生日にわざわざ満開になるなんて・・・。
なんという演出なんでしょう。
それだけで、涙が溢れてしまう店員Hです。
ココアさんと桜を撮影しようと何度も試みるのですが、ココアさん、この日はなぜかこんなふうに、ななめ上の方をじ~っと見つめて、カメラの方に視線をくれません。
何度も名前を呼んで、こちらに注意を向けようとするのですが、しばらくの間ずっとこの調子でした。
なかなかカメラの方を向いてくれないココアさんに、「どうしたの?」と聞いてもなお上を向く。
いつもなら音を出すとこちらを向いてくれるのに・・・。
じっとココアさんが見つめている空を眺めて思いました。
きっとゆうくんが・・・ポメもデュークも、そこにいるんだよね。
きっとそうだ・・・。
ココアさんには見えてるんだ・・・って。
ココアさんが見上げているあたりを、必死で目で追い、探してしまいました。
ゆうくん、そこにいるの?
ポメもデュークもそこにいるの?
店員Hには何も応えてくれませんでしたが、確かに、そこに懐かしい空気感があったような気がしました。
そこに立っていると、なんだか本当に温かい空気感に包まれているような気がしました。
私の願いを聞いてくれて、みんな一緒にこの満開の桜を見に来てくれたんだねって・・・。
桜がこうして咲いてくれてる間は、きっと毎日ここでみんなに逢えるね。
ゆうくんと歩く練習を繰り返したあの公園にも、ポメ店長が乗っかって写真を撮った石にも、デュークと眺めた山桜やしだれ桜にも、逢いに行きました。
この日は、それぞれの場所で、ココアさんをモデルに写真を撮りながら、2時間近く近所の思い出の地巡りをして過ごしました。
みんな一緒についてきてる?
って、話しかけながら・・・。
ココアさんが空を見つめる回数がこの日はやたらと多く、きっとそうに違いないって確信もちながら・・・。
切なくて、それでいながら、あったかい、涙でぐしょぐしょになりながらの想い出巡りの時間でした。
桜が咲いて以来、毎日毎日欠かすことなく、まるで呼ばれるかのように、「3兄弟の桜」に逢いに行っています。
1日のゆうくんの誕生日を過ぎてから、番頭デュークの月命日の2日は晴れてこれまた突き抜けた青空に満開の桜を見せてくれたものの、その後は一気に花散らしの雨風の荒れ模様・・・。
強い風に花吹雪が舞い散っていました。
昨日もかなり風が強く、一昨日よりももっと散り急ぎ、桜の木の下には花びらの絨毯ができていました。
小憎らしいくらいの強い風。
なんでこんなに意地悪なんでしょ。
今日は、「3兄弟の桜」も、しだれ桜も山桜も、どれもかなり葉桜に近くなってしまっていて、正直ショックでした。
散る花びらに乗って、きっとゆうくんが、ポメやデュークが、お空に帰っていくんだね。
そんな気がして、立ち去りがたく、時間の許す限り、ココアさんと「3兄弟の桜」を見上げて立ち尽くしていました。
ひたすら、淋しいです。
なんでこんなに涙が溢れるのか、自分でもわからないくらい・・・
今年の桜は、本当に辛かったなぁ・・・
もうすぐ桜の季節が終わってしまいます。
今日5日は、ゆうくんの月命日です。
今も外は強い風の音がしています。
きっと桜は散ってしまうんでしょう・・・。
そこまで演出しなくていいよ。
ポメ、デューク、ゆうくん。
また必ず、来年の桜の季節も・・・ココアさんと店員Hに逢いに来てね。
涙を拭いて、前へ前へ・・・。