番頭デュークの業務日誌

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去るもの

2008年02月13日

市川崑監督が亡くなった。
享年92歳。
生涯現役を貫き通した、映画の巨匠が、またひとり逝った。

「ビルマの竪琴」「犬神家の一族」など、70を超える多数の傑作を世に出した名匠。独特な映像美とカット割りが持ち味だった。
この2本とも、店員Hもその昔映画館で見た覚えがある。その印象的な映像美に衝撃を受け、映画を見て帰った後も原作本を読みふけったりして映画の余韻に浸ったのを覚えている。「犬神家の一族」を見て、横溝正史作品を読み漁ったことも懐かしい。

余談だが、学校のプールで、あの「スケキヨ倒立」ができたのは自分だけで、やる度に皆からやんやと受けたことも思い出した。今考えるとかなり恥ずかしいが、確かに皆に促されて何度もやった覚えがある。あれは真似してみたくなるほどに、本当に衝撃的なシーンだった。

話がそれた。名匠の話に戻そう。
平成18年に、石坂浩二の金田一耕助で再度「犬神家の一族」をリメーク。90歳を超えてなお映画への思いは深く強く、まだまだ1,2本は撮りたいからと、ヘビースモーカーだったのにタバコをやめてまで備えていたという。
その意気込みたるや!その映画への執着心に驚かされたものだ。
「あと1,2本作りたい」というその幻の映画は、いったいどんな作品を構想されていたのだろうか?それがとても興味深い。
残念ながら、もうそれを知るすべもないのだけれど・・・。

心からご冥福をお祈りいたします。


今日はもうひとつ、去るものを知った。
主婦向けの女性雑誌「主婦の友」だ。
6月号で休刊することになったと報じられていた。
創刊が1917年、大正6年だというから、その歴史は長い。老舗中の老舗婦人雑誌だ。

「婦人倶楽部」「婦人生活」「主婦と生活」とともに、四大婦人雑誌として人気だったが、他の三誌が80年代から90年代に休刊を余儀なくされた中、93年に生活情報誌として内容を刷新して、最後の一誌として頑張ってきたが、ピーク時70万部を誇った発行部数も、ここ最近の雑誌不況の中で16万部まで落ち込んでいたという。
最近雑誌が売れない、というのは聞いていたけれど、またもや休刊と聞き、残念で淋しい思いがした。
テレビやインターネットなど、主婦向けの情報も、いまやいろいろなメディアで得られるようになったため、雑誌は必要じゃなくなったということだろうか?

旦那や子供を会社へ送り出し、洗濯掃除を済ませたあとの休憩タイムに、お茶をしながら雑誌をパラパラするってのも、主婦の特権だったような気がするんだけれど・・・。その対象は、多種多様の取捨選択の可能性が拡がって、婦人雑誌でなくてもよくなった、ということか・・・?
なんだか、これまたひとつの時代が終わったような寂寥感があった。

去っていく者がいて、去っていく物もあって、
淋しいけれど、確実に時代が動いていくんだね。

そんな思いにひとり物思いにふける店員Hをよそに、ポメ店長は、「今日も寒いので散歩はお休みでいいわ」とばかりに店員Hのベッドを占領してお昼寝タイム。
夕方まで全然起きてきませんでしたとさ。
うらやましや~。さぶっ。
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